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HN:
秦きょうこ
性別:
非公開
自己紹介:
語り部。作家。
「むすびの文庫」と「ふゆる座」を主催しています。

いろいろのお問い合わせは、こちらまで。
上映会のご希望なども、お気軽にどうぞ。

musubino.huyuru@gmail.com
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○ありがたいことです。
個展を、ひらいていただくことになりました。

++++++++++++++++++++

千草ホテル中庭プロジェクト。
art hospitality vol.11

秦きょうこ展
「あかご。―家にかえることば―」

2012.3.3 sat - 5.13 sun

1F dining cafe chigusa
open 11:15-
close -20:00

□ご案内□
千草ホテルでは、2008年より中庭とカフェ・レストランを舞台に
「ホスピタリティ」をテーマとして、
アーティストの発表の場を継続的に提供しています。
第11弾を飾る秦きょうこ氏は「ことば」を一つの手がかりとして
世界の手応えを探りつづけています。
本展では「家にかえることば」をテーマに、
私たちの記憶の奥底に埋もれた原風景に触れていきます。

主催 千草ホテル
企画 花田伸一(キュレーター)

入場無料
会期中無休
※会期中に限り、はがき持参の方は
カフェにて焼き菓子をサービスいたします。

□アーティストトーク□
5.12 sat  15:00~
(先着20名様/カフェにて要1ドリンクオーダー)

□千草ホテル□
0120-228-133
〒805-0061
北九州市八幡東区西本町1-1-1
http://www.chigusa.co.jp

□アクセス□
・電車/JR鹿児島本線八幡駅下車、徒歩10分
・西鉄バス/「尾倉町」下車、徒歩2分
・車/北九州都市高速大谷インター5分(無料P有) 

++++++++++++++++++++++++++

DMはがき、お持ちいただけましたら、
おいしい焼き菓子をくださるそうです。

みなさま、
春、きせつのよい頃です。
ぜひぜひおいでくださいませ。

わたしもしばしば在廊(というより、在庭)いたしております。
ひさしぶりに、お話しましょう。

DMのご希望ございましたら、
お送りいたしますので、ご連絡ください。

展示の内容につきましては、
すこしずつ、こちらでもお話させていただきます。

ご不明な点はお気軽にお問い合わせくださいね。
なにとぞ、よろしくおねがいいたします。


秦きょうこ拝。
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○おてんと様あかるくて、
ゆきもふってる。
きれい、でもへんなの。


○風邪はさむい。
背なに薄氷がとりついてるよう。

目は虚ろだろうかと鏡をのぞくが、
うるんでいつもよりひかっているくらい。

あたまの中は澄んでいる。
というよりも、空っぽ。青く晴れている。

そうだ、こどものころ、
いつもこんなだったな。
こころ、冴えてた。
いつも底んとこに、
きもちのよい静けさがあった。


○紫花豆の炊いたんをいただいた。
ほっくりしっとり、品よし、香よし。

このごろあわただしくて、
豆も炊かんようになってたことに気づく。
さっそく、白花豆を水にひたした。

ぱんもクッキーもチョコもおいしい。
でもなぐさめられることはない。
いたわられることもない。

お饅頭やお餅、お豆の炊いたんには、
どうしてかそれがあるんよなぁ。

滋養ってことかなぁ。
弱ってるときほど、おいしい。


○つらら。つらら。

この冬はさむいから、
ここ北九州でもつららをたくさん見れます。

母はつららや霜ばしらがすきなので、
ことしは手をたたいてよろこんでいらっしゃる。

きょうはブロッコリーにおりた朝露が氷って、
目をちかづけると本当にきれいだった。

ちいさな氷の玉のなかに、虹の橋がかかっている。
うわあと感激したら、なめくじの跡だった。
なめくじ、凍えてないかとしんぱいになった。


○10時。
くらくらしながら檸檬をしぼり、
はちみつたっぷりとともに小鍋に温める。

12時。
梅干しとねぎとしらすの焼きめしを作る。
あつあつをいただく。

3時。
しょうが湯ときなこ餅のお八つ。

18時。
味噌煮込みうどんにしよう。
おやさいたくさん入れるのだ。

こんなに食べてるんだもの、
きっとじきよくなるでしょう。


○おてんと様お隠れあそばす。
ぼうっと暗いそらです。
ゆきはあいかわらずふっています。
沈むけしき。
春のあかるさを、恋しくおもいました。



○みなさま、こんにちは。
ふゆる座、ことし2回めの上映と語らいの会でございます。


++第五回 からつ女性未来学講座++

「民族文化映像研究所作品『竜郷のアラセツ―ショチョガマ・平瀬マンカイ』上映&語らいの会」

とき 2012年2月19日(日)
じかん 14:00~16:00
ばしょ 唐津市民交流プラザ多目的ホール
     (JR唐津駅から徒歩8分)

*受講は無料です。


○鹿児島県大島郡竜郷町秋名にて、
奄美の夏の正月といわれるアラセツ(旧暦8月初の丙の日)に行われる、
ショチョガマと平瀬マンカイの記録。
1982年、ちょうど30年前の映像です。

ショチョガマと平瀬マンカイ。
いずれもイナダマ(稲の魂)を招き、豊作を祈願する行事であります。

ショチョガマでは、男たちが山でイナダマを招き、
平瀬マンカイでは、女たちが海でイナダマを招きます。

イナダマ。
稲の御霊。

いいことば、
だいじなことば。

それが、生活の内に、
生きているということ。
その姿を、みなと共に、
見、習わせていただこうとおもう。

16:00で一旦、会をとじますが、
そのあと会場をうつして、
茶話会となります。

唐津はたいへんによい町ですから、
散策もおすすめいたしますよ。

みなさんぜひぜひ、
足をおはこびください。

よろしくお願いいたします。





○「色」を以て、この世の多様をあらわすのはおもしろい。
色々。いろいろ。


○「いろ」はにほへとちりぬるを。

そう、でもその「色」ってなにか、
漂うもの、移りゆくもの。
この世に定着されたものではなくって。
空間を占めて存在するものでもなくって。

物に、空気に、心に、
憑いて流れるもの。

要するに、虹。
あの流れ。
実体のない、純粋なひかり、その流動。

だから人を惹きつけちゃう。
はかなげで、あぶなげ。
それが魅力。


○色っぽいってなんだろう。
何っぽいってことだろう。

日本の「色」。
これは大事なもんだいだな。


○夕刻、雪景色のなかをバスは走っていた。
わたしは寒い手をこすりながら、
いち日のつかれにゆっくりと沈んでいた。

バスは高いところを走り、
窓のそとには雪空と白い町がひろがっていた。

ぼんやりとながめていると、
ふいに、声がした。
すぐ隣で。
亡くなった親友の声だった。

はっとした。
その瞬間、虹がみえた。

空いっぱいの、巨大な虹。
降りしきる雪空に、
オーロラのように虹がみえた。

しんじられない光景。
まどっていると、
耳元でパキンと音がして、
聴覚がとぎれた。

無音の世界、
薄暗い雪空に、
巨きな虹がゆらめいていた。

こわかった。
なみだが出た。
顔をふして、
親友の名をこころにさけんだ。
すぐそばで声がした。
労わるように、わたしの名をゆっくりと呼んでくれた。

それを聞くと、ふっと力みがとれて、
もいちど無邪気に、空をみたいとおもった。

雪空にあいかわらずの虹。
ぬらぬらと蛇のようにうごいていた。

こんどはうつくしいとおもった。
むねの真んなかがふるえ、
ついで全身ががたがたとふるえた。

鹿神の夜のかお、
ディダラボッチのゆらめく歩みに、
森じゅうのこだまたちがカタカタと鳴るように。

この世の有情として、
ともに振るえた。

やがて虹は分光し、
ちりぢりに落ちていった。
そしてあまねくに宿った。

それで、すんでしまった。
いつものように、夜になった。


○黄昏どきには、
ふしぎがおこる。
神隠しのじかん。
ここから遊離するじかん。


○風邪をひいて実家へかえると、
父も母も風邪だった。


○上映会のうちあわせ。
4月、こんどは糸島です。


○幸田文『浮き雲』の古本届く。
すみれ色の箱に、『浮き雲』の活版文字がすばらしい。
この本に収められている「終焉」は、わたしの宝物。

すでに持っていたのだけれど、母がほしがるから、
ゆずりました。


○無着成恭『山びこ学校』の古本届く。
ちょっと古すぎたか、
不用意にさわると紙がもろけちまいそうだ。

こどもたちの生活綴り方。染みいることば。


○ちかくの神社の節分会にでかけた父母が、
豆菓子と小餅をさげてきてくれる。

古い鬼の面がかっこよかったと興奮している。
わたしも行きたかった。仕事さぼればよかった。

ぶつぶつ云いながら、豆菓子と小餅をいただく。
この上なくおいしい。


○しごと帰りに「ねずみもち」の木をみつける。
いっぱいに生った藍の実をひと粒ちぎり、
お尻んとこをぎゅっとおす。
と、ぴゅんっときもちよく飛んでった。

「いいなぁ、たのしなぁ。」

よそ様のお庭のものだし、
ひと粒かぎりと頂戴したのだし、
もうよそうね、ね、と云ってきかせるが、
こういう時この人はたいてい云うことをきかない。

もうひと粒、もうひと粒。
ぴゅんっ、ぴゅんっ。

きりりと冷えた空気を切って、
ねずみもちが飛んでゆく。

あんまりうれしくなって、
ひとり声たてて笑ってしまった。

幼い日に、山で父がおしえてくれた遊びのひとつ。
まだ忘れないよ。今も遊び。
きっと一生、だいじな遊び。


○お風呂場の窓にうつる影。
小さいのがいち、に、さん。

なにかと思えば、小鳥のお尻だ。
ふりふりしながら、にぎやかに鳴いている。

こういうのって、大すきだ。


○「生活箇条書き」という方法を、
「いづみ」の美代子さんに習った。

生活のかけらを記録する。
そのなかに、生の一閃をみたい。


○越知保夫著、若松英輔編『小林秀雄―越知保夫全作品』届く。
また本を買つてしまつた。
読めないときほどほしくなるやうだ。

いろいろ一段落ついたら、読むんだ。

と思っていたのに、
「小林秀雄」の文字を見たらたまらなくなって、
ひらいてしまった。

この本は昨年春に出版されたもの。
越知保夫さんの文章は、これが初めてです。

ほんのちょっとならと思って読みはじめたのだけれど、
さいしょの数行で心拍数があがってしまい、
数ペィジで、あ、まずい、と思って閉じた。

「お前は自分を狭苦しく感じている。
お前は脱出を夢見ている。
だが蜃気楼に気を付けるがよい。
脱出するというなら、走るな。逃げるな。
むしろお前に与えられたこの狭小な土地を掘れ。
お前は神と一切をそこに見出すだろう。
神はお前の厚みの中にまどろんでいる。
虚栄は走る。愛は掘る。
たとえお前がお前自身の外に逃げ出しても
お前の牢獄はお前について走るだろう。
その牢獄はお前が走る風のために一層狭まるだろう。
だがもしお前がお前の中に留まって、お前自身を掘り下げるならば、
お前の牢獄は天国へ突き抜けるだろう。
――ギュスターヴ・ティボン」

「われは常に狭小な人生に住めり 
――室生犀星」


の、引用文からはじまる小林秀雄論。
うーわあ、ふるえるなぁ。

「狭小」。
「狭小」。

その「狭小」を通してのみ、
この世に具現化される夢。
ひたすらに掘れ。沈潜せよ。


はやく、いろいろ片づけて、読もう。
越知さんはきっと、
わたしが小林秀雄にベタ惚れしているその理由を、
ことばにしてくれている人だ。
十五年来の盲目の恋に、
ようやく光がさすかもしれない。

それは、わーと叫びたいくらい、うれしいことだ。


○このごろお肉をたべるんだ。
魚さん、鳥さん。

完全なヴィーガンになるかと思いきや、
あれれという感じです、じぶんでも。

・九条ネギと薩摩揚げの煮物
・南瓜のそぼろ煮
・牡蠣と大根とお豆腐のおみそ汁


おとといの夕はん。
きょうの夕はん。


・鯖のみそ煮
・わけぎと小松菜、お豆腐のおみそ汁
・薩摩揚げの炙り、生姜醤油添え

という具合に。
ほんと、急にどうしたんだろうな。


○人のはなしを聴くってむずかしい。
聴きたくて聴いてるのに、
あっというまに、じぶんの文脈に回収してるんだ、いつも。

もちろん、とっても似通ってるから、
びっくりするくらい共有するものがあるから、なんだけれど。

相手のことばとして、
この世に唯一のものとして、
はじめて出会うことばとして、
聴きたいのにな。
そう、希ってるのにな。

なのに、なぜやろか。
あぁー。

温かい鏡のように、なりたい。

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