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秦きょうこ
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語り部。作家。
「むすびの文庫」と「ふゆる座」を主催しています。

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○ことばを聞きたい。ことばが聞きたい。
そう、切に求め、切に希っている。

人の群れにいると一層ことばが遠くなって、
のどとむねが不安で熱くなってしまうから、
こわくて近づけない。

分からない言葉がにぎやかな音を立てて流れ込んでくる。
するとわたしは忽ちに押し流されてしまって、
じぶんがどこに居るのかさえ分からなくなってしまう。

身体の輪郭はそこにあるのに、
皮一枚の内がわは恐ろしい濁流で、
わたしの意識はすれすれなのだ。

それをじっと、
泪目で、
こらえている。

ことばが吹いて、
世界の名をわたしに告げる瞬間こそ掬いの時。

わたしはようやく世界とむすばれ、
そこに止まることができる。

その止まった点が「私」であり、
わたしはようやくほぅと落ち着いて、
うれし泪とともに「私」を自覚する。

だから私はいつもことばを。
切に求め、切に希っている。


○声音はきこえるのに、意味をむすばない。

それは耳元で大きく響いて、
鼓膜を痛いくらいに叩いてくるのに。

意味がとれない。伝わらない。分からない。

知っている言葉なのに。
まちがいなくそれは、私の母語なのに。

意味がとれない。伝わらない。分からない。

知っているのに、分からない。
文字には起こせる。
一つ一つの辞書的な解説ならできる。
それなのに、分からない。
一体どういうことなのか。

私とは無関係に、
しかし圧倒的な量として流れてくる言葉。

意味をとりたい。伝ってほしい。分かりたい。
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