忍者ブログ
# カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
# フリーエリア
# 最新CM
[05/02 tekuteku2011(yamada)]
[08/26 安西博之]
[06/12 ユリ]
[03/05 秦きょうこ]
[03/01 工房 日々く]
# 最新記事
# 最新TB
# プロフィール
HN:
秦きょうこ
性別:
非公開
自己紹介:
語り部。作家。
「むすびの文庫」と「ふゆる座」を主催しています。

いろいろのお問い合わせは、こちらまで。
上映会のご希望なども、お気軽にどうぞ。

musubino.huyuru@gmail.com
# バーコード
# ブログ内検索
# P R
# カウンター
[119]  [118]  [116]  [115]  [114]  [113]  [112
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

○ことばを発することにつかれたとき、
もう一音だって声を上げることができないとき、
それでも樹々はざわめいてくれるし、
小鳥はさえずってくれる。

わたしの胸の堂におこる震えは、
そんな風にして世界の者に託されて、放たれている。
どんなに弱り果てていても、
それだからわたしの表現は止まない。

世界にすっかり内包されているわたしの命は、
みなの命の律動さえ表れていれば、
もう二度とこの口を動かすことができなくても、
満足なのである。


○いまは虫。あの高い鈴の音。
わたしが秋の夜に出したいことばは、
彼らが十二分に奏でてくれている。


○どんなに小さな羽虫でも、
つぶすと心が冷える。
はっきりと冷えて固くなる。

気がつきたくないけれど、
同時に目をそらしたくない。
目をそらしたくないけれど、
同時に気がつきたくない。

矛盾してる。矛盾してるんだ。
なんてことだろう。
わたしずっとそうして来たんだよ。


○じぶんの体が無機質に感じられて、
やりきれない気持ちになることがある。

情の通わない無意味な肉塊。
きみがわるくて仕方がないし、
つらさが突き上げてきてこわばってしまう。

でもそれも明るい兆し。
それを「つらさ」として感じられるようになったもの。
離人感とは長いつきあいになるけれど、
この一年ほどは「つらさ」が突破してくる。
「つらさ」が全力で手をのばして、
離れてしまった私をつかまえにくる。

だからつかまっていいんだよね。
「つらさ」に貫かれて倒れちゃっていい。

それで涙なんて出たらしめたものだ。


○このごろ夜ごとに
シェーンベルグの「浄夜」を聴いている。

大きな音で聴きながら、
私も夜になるんだ。「浄夜」になる。

意識がとけて、夢がつつむ。


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
忍者ブログ [PR]