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語り部。作家。
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○今日の福岡は五月晴れ。
本当によく晴れていたのだけれど。
わたしの耳には雨音がしていた。

それは先日の東慶寺の音。
小林秀雄さんのお墓をさがして、
墓地をうろうろしていた時の音。

それがまだ、わたしを包んでいる。


○その音を本荘先生も、
まだ聞いて下さっている気がする。

確認なんかしないけれど、
なぜだか確信をしている。

雨音の共有。

そこで支えられる関係がある。


○小林秀雄さんのお墓にお参りするのは、
もう何度めだろうか。

それなのに毎回さがさねばならないのは、
どういうことだろうか。

方向音痴の故か、
狐にばかされている故か。

ううむ。。
ま、どっちでもいいや。


○すずめが砂浴びをしているのを見た。

一つ一つの羽をひらいて、
ぶるぶると身体をふるわせる。

小さな姿が砂煙に包まれて霞む。

現れる。ぶるぶる。又、包まれる。
現れる。ぶるぶる。又、包まれる。

しばらくそうやって、
幾分か白っぽくなった頃、
すずめはぱっと飛び立っていった。

霞が飛ぶのを、
わたしは初めて見たと思う。


○ことばはまだ来ない。
まるで音沙汰がない。

ずっと遠くで、
固く凝っている。





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○たどたどしくとも綴る。
ぽつり、ぽつりと、
雨垂れの打つように。


○ことばはまだ来ない。

それはよく分かっている。
でもどうしてもという日。

どうしても会いたくて、
待ってしまう日がある。

ことばに会えない思いはさみしい。
どんなにあふれていてもさみしい。


○飛行機がどんと地響きたてて降りたので、
その振動で、ワッとなみだが出てしまった。

こんなに帰りたくなかったのは初めてだった。

むねに大きな穴が空いてる。
大きな大きな穴が空いてる。

穴は故郷。
先生方は、私の故郷だ。


○故郷の穴。
それを私は記述していく。
一論文として綴っていく。

そんな事、できるのかなぁ。
すーごく緊張してしまう。


○たどたどしくとも綴る。
ぽつり、ぽつりと、打つように。

雨、雨水の、
打つように。



○みなさん、お久しぶりです。
「Faceboook」の読み書きをはじめてから、
ずいぶん長くこちらを留守にしてしまいました。

留守中たずねてくださった方々、
ひらく度がっかりさせてしまってごめんなさい。

またちびちびと、
日々の雑感やもろもろのご報告を、
こちらに書いてまいりたいと思います。


○わたしは生まれも育ちも北九州で、
今も北九州に住んでおりますことから、
震災がれき(という呼び習わしへの違和感とともに)、
その受け入れ焼却をめぐる問題について、
(もちろんそればかりではなくて、
それに類し、また関連するいくつものことについて)
日々うんうんとうなされて参りました。

試験焼却の強行された一時期には、
わたしも足しげく市役所や向上に通い、
ことの真相をたしかめたいと動いておりました。
けれど、あっという間。
たくさんのしがらみに絡めとられて、
そうした行動さえ、諦めなければならなくなりました。

多くの人が、
いのちとしての実感、倫理観とはうらはらに、
声をださず行いもせず、
じっと我が身ひとつの内にかかえこんで、
しかし事の成りゆくままに任せるという態度をとっていること。

それはこうした事情によるものなのかと、
じぶんがその事情に捕まってはじめて、
痛切な経験として理解できたように思います。





○徹夜をしてしまった。徹夜、を!
なんていって、
いかにも大げさにひびくでしょうけれど、
わたしは十年前に
「もう二どと徹夜はしない。」と誓っていたのです。
それをやぶいちまった。
仕事でどうしようもなかったのだけれど。


○この年でもいちおう徹夜ができるのねぇと、
感慨深くおもいつつ、
それよりかえって調子のよいことにきょうは一日驚いていた。

徹夜あけのこころは、
まれにみる大凪。
で、両のまなこはゆったりと、
この世界をながめわたしていた。


○草むらにしゃがみこんでいたら、
蚊があつまってきた。

蚊の羽音きらい、
かゆくなって腫れるのもいやだ。

でも、そうしてわたしの血が、
ほかの命を養っているということは
貴重なことだなぁとおもう。
蚊の女人が、わたしの血でお腹の子を養うの。

…なんて考えてる間に、たくさん食われた。
それでやっぱり私は「ちくしょう。」とも思っちゃう。


○その昔、いっしょに暮らしていた2羽の小鳥のうち、
さきに死んじゃった子とよく似た小鳥をよそのおうちのお庭にみつけた。
日光浴だね。飼い主のおじいさんがじっとその子をみつめてる。
孫をみつめるみたいに、あったかい目で。
猫なんか来ちゃうとこまっちゃうし。

そこでわたしはおじいさんにことわって、
いっしょにしゃがんで小鳥談義をはじめたの。

わたしのとこのは「錦ちゃん」って名でした。
ほんとそっくり、柄の入り方も、色合いも。
こんなにそっくりなのって、めずらしいんです。

「生まれかわりかね。」って、おじいさん。

そうかもしれない、でもちがうとも思う。
だって、この子はおじいさんのことしか見てないでしょう。
わたしを視野のはじっこに入れつつ、
でもどうしたものかっておじいさんをすがるように見てる。
わたしには心を解いていないもの。
もちろん、いましがた出会ったばかりで、
そうすぐさまうち解ける気にもならないでしょうけれど。

おじいさんは笑って、
それから唸るように「あなたはいいね。」って仰った。
「あなたとその小鳥はいいね。」って。

「おじいさんとこの子もとってもいいですよ。」って返したら、
「いやいや。」と照れくさそうに、
でもまんざらでもないって風にわらった。

小鳥ってちびだし、
似たようなのばっかりだけれどね。
1羽1羽のもってる空気ってのがあって、
そしてそれには表情があって、
いっしょに暮らしていると、
ある瞬間、その空気がふっとゆるんで、
とたんにその子の表情がゆたかに拓かれてくことがある。

小鳥を飼ってても、
あんまり気づかない人もいるみたい。
でもおじいさんは、そこのところよくわかってる人だった。
きっとわたしたちは、よい小鳥仲間になれるだろうと思う。


○ひさしぶりのお買い物。
板麩、韓国の粉唐辛子、白ねりごま、
白と黒の炒りごま、黒のミシン糸を買う。

あしたは、麹屋さんに、麹を買いにいこう。

あと買い足さないといけない物は、
肉桂、わらび粉、切り干し大根、18cmのタルト型、燭台、
そんなところかな。


○「黒糖と木の実のタルト」。
このごろ作りはじめたのだけれど、
とてもおいしい。

みんなに「すごい味だね。」と言われる焼き菓子「たねとむぎ」。
よくたずねられるのですが、
「たね」=かぼちゃの種、ひまわりの種、アーモンド、ごま
「麦」=小麦、オーツ麦
です。
シナモンやナツメグも入って、
すべてをぎゅうと押し固めてあるので、
「すごい味だね。」ってことになるのでしょう、よ。

蒸しぱんはあいかわらずよく作ります。
今週は「抹茶とあずきの蒸しぱん」を二ど作りました。
抹茶を濃くした方が、こっくりとして皆さん好きみたい。
抹茶は、八女の星野村から直接おくっていただいています。

明日はなにを作ろうかな。


○徹夜あけに、酒、酒だ。

といっても、わたしは下戸ですから、
もっぱら「甘酒」、「酒粕」ですが。

先日仕込んだ玄米甘酒。
いつもならそのまま飲んじゃうのですが、
今回はこれで調味料をつくろうと企んでいて、
だいじに冷蔵庫にとっていました。

「塩甘酒」と「甘酒コチュジャン」のふたつ。

本を見ながら、ぶじ仕込み終了。
それぞれ1週間~1ヶ月ほど熟成させます。
たのしみ、だー。

「酒粕」は「酒饅頭」用とおもっていたのですが、
使いおおせないので、これも本をみながら二つほど。
「酒粕クリームソース」と「酒粕のナン」。

「酒粕クリームソース」は、あすお昼にパスタにからめてみよう。
「酒粕のナン」は、すでに家族の胃袋のなかだ。
みなの手がのびてのびて、わたしはあんまりありつけなかった。
塩をひとふりすると、なお美味しい。


○岡垣の親戚から、ことしもたくさんの完熟梅をいただく。
母上がきょう仕込んだ梅ジャムの色がうつくしくてうつくしくて、
もう今日も眠るの止めちゃおうかっておもう位。

でも見てるとその色の中へダイビングしたくなるから、
ちゃんと寝よう。そういう夢をみたらいい。

…そのあたりの分別がつくようになったな、私。
すこしずつ大人になっているようだ。安心した。


○夜の紫陽花ってなかなかこわいもんだ。
とくに株のふとい、大きな背のやつは。
そして濃い色より淡い色。
闇にぼんやりと靄のように浮かびあがって、
気をゆるめるととりこまれそうだよ。

花はこわい。うつくしい。



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